第二次世界大戦後の占領下で、米軍が「細菌戦」などを研究した旧日本軍731部隊の関係者12人の郵便物を検閲するよう指示していたことが分かった。山本武利・早稲田大教授(メディア史)が国立国会図書館の米公文書資料から、検閲指示の秘密文書を発見した。米軍は人体実験などのデータ提供と引き換えに、同部隊員らの戦犯訴追を免除した。その一方で、郵便検閲により関係者の動向を探っていた事実が明らかになったのは初めて。謎の多い部隊をめぐる情報収集に、米側が戦後、硬軟両様の手段を駆使していた事実が浮かび上がった。【大井浩一、栗原俊雄】
文書は1946年2月15日付で米陸軍参謀第2部(G2)から、連合国軍総司令部(GHQ)の民間検閲局(CCD)あてに出された1枚。上下に「機密」のスタンプ、右上には「廃棄」を求めた手書きのメモがある。
内容は2項目で、最初に「下に挙げた人物の郵便物を検閲するように」と指示。731部隊長だった石井四郎(1892〜1959年)や、石井の側近で戦後はミドリ十字を創設した内藤良一(1906〜82年)ら12人の氏名をローマ字で、肩書や住所とともに列挙している。満州事変の首謀者、石原莞爾(1889〜1949年)の名前もある。
検閲のポイントは五つで、石井や細菌戦に関するあらゆる言及など。「会合の手はず」なども挙げ、関係者同士の連絡にも注意して検閲するよう求めている。
第2の項目は、部隊の研究施設にいた「医学的な背景を持つ」とされる9人のリスト。住所は「不明」だが、これらの人物の動向にも注意するよう求めたとみられる。二つのリストとも、従来731部隊の関係者として知られていなかった名前が含まれている。
米軍は占領開始直後の45年9月から、同部隊関係者の尋問を始めたが、当初から戦犯免責をちらつかせ、情報を引き出そうとした。47年には実験データを提供させ、関係者の訴追は見送った。今回の文書は、米軍が尋問により証言を引き出すと同時に、郵便検閲を通し、ひそかに情報を得ようとしたことを示す。
山本教授は「東京裁判(極東国際軍事裁判)が始まる前の時期で、731部隊の免責に必要な作業だったのかもしれない」と話している。
【関連ニュース】
【写真特集】米兵が撮った1945年の東京 【写真特集】戦時下の「食」 【写真特集】終戦直後の「食」 配給だけでは生きられなかった 【写真特集】日米安保条約改定50年 【写真特集】1945年敗戦、焼け跡からの復興 ・
常陸宮ご夫妻が昭和天皇記念館をご視察(産経新聞)・
横浜事件、実質無罪=刑事補償を決定−裁判打ち切りの元被告・地裁(時事通信)・
ハイチPKO派遣、第1陣が午後出発(産経新聞)・
首相、小沢氏の幹事長続投は「この段階で至極自然」(産経新聞)・
福岡県町村会汚職 前事務局長も逮捕(産経新聞)
東京都教育委員会は4日、2010年度から秋田県教育委員会と連携して小学校教員の採用試験を行い、秋田県で不合格となっても、成績次第で都の試験に進める仕組みを導入することで同県教委と合意したと発表した。10日に協定を締結する。教員採用の共同選考は全国初。秋田県は少子化で採用人数が少ない一方、東京都はベテラン教員の大量退職で優秀な人材確保が課題となっており、都が連携を呼び掛けた。
秋田県の採用試験で、受験生に東京都での採用を希望するか申込書類に記入してもらう。同県の1次試験を不合格になっても、一定の成績を収めていれば都が独自に合格を出し、都の2次試験に進めるようにする。都の教員として5年程度勤務した後、一定の条件で秋田に戻ることも可能とする。
【関連ニュース】
・
58歳男性教諭を懲戒免職=授業中に胸触る ・
いじめで自殺、両親が県を提訴=携帯に遺書、教委は否定 ・
体罰の賠償は市負担=教員採用の福島県側勝訴 ・
学テ学校別結果の開示認める=「国の実施に支障ない」 ・
IBMが県に1673万円賠償=県立高11万人の情報流出で ・
<多額窃盗>国内20〜30件関与か…香港で逮捕の爆窃団(毎日新聞)・
国民新党が郵政改革法案の素案を来週提示へ(産経新聞)・
長崎県知事選告示 大仁田元参院議員ら7人が届け出(産経新聞)・
素材ありき 「京みたらしろーる」人気(産経新聞)・
妻暴行死で夫に実刑=弁護人「裁判員に理由聞きたい」−仙台地裁(時事通信)
慢性骨髄性白血病の治療薬を効きにくくするたんぱく質を、金沢大がん研究所(金沢市)が突き止めた。このたんぱく質の働きを抑制することができれば、治療薬の効果を向上させ、再発防止に役立つとしている。4日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
慢性骨髄性白血病は、遺伝子の異常によって血液内にがん細胞(白血病細胞)が増える病気で、毎年10万人に1人程度発症するとされる。グリベックなどの薬剤が治療の主流だが、白血病細胞のもととなるがん幹細胞が治療後も生き残り、再発するケースが少なくない。
同研究所は、幹細胞内で「FOXO」というたんぱく質の働きが活発になると、薬剤への抵抗力を持つことを発見。FOXOを持たない白血病のマウスにグリベックを投与したところ、FOXOを持つ普通のマウスよりも生存率が2倍ほど高かった。
同研究所の平尾敦教授は「白血病は再発防止が課題だった。人のがん細胞でも同じ結果を確認しており、ほとんどの患者に適応できるだろう」と話す。今後、FOXOの働きを抑制させる薬の開発が望まれるとしている。
【関連ニュース】
・
〔写真特集〕ミクロの世界 ・
遺伝子型で製剤投与立証=カルテない女性和解、肝炎訴訟 ・
試験管内で「体内時計」=細胞分化で発生 ・
代替不可能な遺伝子にも代役=iPS細胞作製法、マウスで成功 ・
水に混ぜるだけで高強度素材=高分子化合物を開発 ・
<転落>川に車2人死亡 スリップ跡、凍結か さいたま(毎日新聞)・
信長は隠れ大文字山ファン? 「四神」に守られた都を望む船岡山(産経新聞)・
ブロンズ像に94億円! ジャコメッティの作品、史上最高額で落札(産経新聞)・
ブロンズ像に94億円! ジャコメッティの作品、史上最高額で落札(産経新聞)・
明かされる遺体や傷の状況… アキバ殺傷・加藤被告、うつろな瞳で聞き入る(産経新聞)
宮内庁は2日、天皇陛下が風邪や腹痛などの症状を訴え、3日から予定されていた葉山御用邸(神奈川県葉山町)での静養を取りやめられると発表した。
重い症状ではなく、診療や入院などの予定はないという。
同庁によると、陛下は1月31日頃から、のどの痛みなどの症状があったが、1日はメキシコ大統領夫妻との会見や昼食会などに予定通り臨まれた。2日未明になって腹痛を訴えられ、侍医が診察した結果、急性腸炎のような症状と脱水症状がみられたという。
同日午前になっても気分が悪く、葉山御用邸への移動の負担も考慮し、3日から7日の日程で予定されていた静養を取りやめ、この間、お住まいの御所で休まれることになった。
・
中学受験 本格シーズン 受験者数過去最高更新する勢い(毎日新聞)・
COPDの予防方策などで検討会設置へ(医療介護CBニュース)・
挑戦者・張三冠が3連勝…棋聖戦あと1勝(読売新聞)・
忍野村の協力、真意を確認=普天間問題で官房長官(時事通信)・
<氷河>ヒマラヤで年470億トン減少 琵琶湖1.7個分(毎日新聞)